事例・利用例
▼東急カード株式会社について
東急グループ唯一の決済事業者として、東急グループ各社とエンドユーザーの架け橋となり、生活の価値向上に貢献している企業。主な事業内容は、東急沿線に住む方々の生活をより充実させるクレジットカード「TOKYU CARD」の取り扱いです。安心・安全にクレジットカードを利用できる環境を提供し、暮らしの一部になるようなさまざまな取り組みを実施中です。
東急カード株式会社 カード営業部 デジタルコミュニケーション課 課長補佐 根本氏 カード営業部 デジタルコミュニケーション課 永藤氏 クレジットカードの利用促進をしている、東急カード カード営業部デジタルコミュニケーション課 課長補佐の根本氏と、同デジタルコミュニケーション課の永藤氏に、クレジットカード会社が抱える集客面での課題や、紹介キャンペーン導入の背景とその成果について、詳しくインタビューしました。 ※クチコプレミアム顧客事例 2024年6月取材
■反響率0.001%以下、複雑で手間がかかる紹介キャンペーンから脱却したい
—まずはクチコプレミアムのお話をお聞きする前に、TOKYU CARDの集客方法について教えてください。
(永藤氏)現在、当社ではオンラインとオフラインの集客を併用しています。「TOKYU CARD」は、もともと東急グループにご縁がある方々に使っていただくカードとして生まれていますので、グループ内のショッピングセンターにカウンターを設置して入会を促進していたり、東急沿線の駅でキャンペーンを催したりしています。
加えて、全体の約7割の新規会員を獲得しているWeb集客は、「TOKYU CARD」を検索して入会してくださる方のほか、アフィリエイトサイトからの流入が主な経路になっています。
— TOKYU CARDの会員様層について特徴はございますか?
(永藤氏)会員様は東急百貨店・東急ストア・東急系列のショッピングセンターなどの商業施設をご利用される、40~50代の女性の方がメインのユーザー層です。また、東急電鉄の定期券購入のポイントが高還元率であるため、沿線にお住まいのビジネスパーソンにも次第に波及していき、今では東急沿線にお住まいの方々に多くご愛用いただております。
—それでは紹介キャンペーンについてお話をお聞きしていきたいと思います。クチコプレミアムを導入する前は、どのように紹介キャンペーンに取り組まれていたのでしょうか?
(永藤氏)紹介キャンペーンは、2022年前後から取り組んでいました。しかし、お友だちを紹介するまでのステップが複雑な点が課題でした。
当時の紹介キャンペーンのステップは5つ。
①メールマガジンで告知、②Webサイトからエントリー、③キャンペーンコードを発行、④キャンペーンコードを友だちに伝えていただく、⑤友だちが入会するときに、再度スタッフにキャンペーンコードを伝える、といった流れです。
ところが、途中でキャンペーンコードを失くしてしまえば紹介キャンペーン自体が成立しませんし、仕組みが複雑で運用のしにくさも感じていました。
(根本氏)加えて、この流れを会員様に説明することも骨が折れましたし、分かりにくかったせいか、申し込みの件数も少なかったです。
—ちなみに以前の紹介キャンペーンでは、反響数はどのくらいありましたか?
(根本氏)メルマガ会員様20万件に情報を配信して、紹介発生件数は3カ月間で100~200件前後。反響率0.001%以下です。それを1クール3カ月の期間を設け、1年に3回実施していました。
これまで2、3クール実施してきたのですが反響数は先細っていくばかりでした。
そのような背景があり、紹介キャンペーンの効率化を考えていたなかで、出合ったツールがクチコプレミアムです。
■1カ月の紹介件数が100件以上、1日あたり3件以上の紹介からの新規顧客獲得に成功
—さっそく紹介キャンペーンの反響についてお聞かせください。クチコプレミアム導入後、紹介からの新規集客の反響数に変化がありましたか?
(永藤氏)まだ始めて間もないのですが、1カ月の紹介件数が100件以上、つまり1日あたり3件以上も会員様の紹介からの新規顧客獲得ができています。
実は、クチコプレミアム導入時に目標にしていた数字が、月間100件の紹介新規獲得なんです。導入後すぐに目標達成できてしまったのは予想以上のうれしい驚きでした。
—顧客獲得単価はどのように感じていますか?
(永藤氏)クチコプレミアムは、成果報酬制の仕組みで導入できますので、無駄な出費がなく合理的です。入会者と紹介者にそれぞれ3,000ポイントずつTOKYU CARDのポイントを加算しています(2024年7月時点)。通常であれば広告費がかかるところ、ポイントとしてお客様に直接還元できているのも無駄がなくて魅力的な仕組みです。
また、アフィリエイトによる会員獲得と比べて安価なこと、そしてオフラインでのキャンペーンと比べると人件費がかかりませんので、クチコプレミアムは非常にコスパよく新規顧客を獲得できているといっても過言ではないでしょう。
—紹介キャンペーンの告知はどのように行っていますか?
(永藤氏)メールマガジンでの告知に加えて、Webサイトへの掲載と、TOKYU CARDのアプリで配信をしています。アプリ内には「キャンペーン一覧」のページがありますので、お得な情報を探している会員様に見ていただけているようです。
▼Webサイト上での紹介キャンペーンの告知方法
↑Webサイトのトップページに告知があり、
↑そこから詳細ページへ遷移できるようにわかりやすく構築されています
▼アプリ内での紹介キャンペーンの告知方法
—紹介キャンペーンで新規会員になった方に傾向はありますか?
(根本氏)例えば、アフィエイトサイトからの入会促進をしていて感じることですが、「ポイ活」を目的にカード会員になった方は、条件を達成したらすぐに退会してしまうということもあり、結果的に狙い通りの施策に至らないこともあります。
その点、「紹介」という集客経路は違います。当社の場合はクレジットカードの紹介ですから、親子間、夫婦間など、家族間の紹介をしていただくことが多いです。そして、わざわざ紹介をしてくださる方は、顧客ロイヤルティの高い優良会員様だと想定できます。
TOKYU CARDを使ってくださる優良会員様からの紹介となると、新しく入会した方も気に入ってカードを使ってくださることでしょう。紹介してくださる方々の特徴は、今後、更なる分析を重ねていきたいところです。
■導入の初期費用・顧客獲得単価が非常に安く、手厚いサポート
—クチコプレミアム導入の際に、どのような点を比較・検討しましたか?
(永藤氏)実は、クチコプレミアムに問い合わせる前に同様のサービスと比較検討をしていました。しかし、最終的にはシステム連携ができるかどうかという技術面と、軌道に乗るまでの費用面で折り合いがつかず、契約まで至りませんでした。他社では、「技術面でうまくいかなかったとしても費用がかかる」という提案でしたので、当社としてはリスクを感じておりました。
一方で、クチコプレミアムに相談したところ、懸念していたシステム連携面ではすぐに開発が完了。また、ある程度の見通しがつくまではテスト運用を行い、その後、本番稼働を迎えるという段階的な提案があったのも非常に安心できました。
(根本氏)補足しますと、当社は決済事業者ですから、一般的な会社と比べると情報セキュリティ対策が厳格なため、顧客管理が想定通りにできるかどうかといった懸念がありました。紹介キャンペーンでは、入会者と紹介者の紐づけができなければ、あとあと情報整理が煩雑になってしまいますから効率的とは言えません。
そういった懸念点もありましたが、結果的にはセキュリティが整ったシステムのなかで、無事にシステム連携ができ、顧客管理上も想定通りに稼働させることができました。
—導入前の紹介キャンペーンでは、ユーザーのステップの多さが課題だとお話されていました。クチコプレミアムはその点どのように感じていますか?
(永藤氏)今のところ、会員様からのお問い合わせがありません。ということは、お客様にとっても私たちにとっても使いやすいシステムができあがっているということです。会員様も「スムーズに操作ができている」と考えてよいでしょう。
—クチコプレミアムの魅力は?
【1】初期費用・運用費用が非常に安い
(根本氏)導入時の初期費用も、月々の運用費用も、非常に良心的です。クチコプレミアムの担当者には、導入前から丁寧にサポートをしていただきました。手厚いサポートの甲斐もあってスタートでき、しかも想定通りに反響が得られていることが安心できます。
【2】紹介キャンペーンが仕組化できる
(根本氏)紹介キャンペーンが属人化したものではなく、仕組化されたものであることが魅力です。前は1クール3カ月というキャンペーン期間を区切っていましたが、今は通常業務の一貫として取り組めていることも効率的だと感じます。
【3】紹介の手段が多彩
(永藤氏)私は、紹介キャンペーンの情報を届ける手段が多彩なことが便利で気に入っています。LINE、メール、QRコードの表示、URLコピーと、会員様が最も使いやすい媒体を選べます。特に、日本人のほとんどが使っているLINEを使って、パッと紹介できるのは手軽でいいですよね。
<東急カードでの紹介発生割合>
QRコードでの紹介は、誰かと対面しているときにスマホ上にQRコードを出す方法。友だちと会話をしながら登録画面まで到達できます
■会員様が次の会員様をつなげてくれる、最高の循環が仕組みになる
—紹介キャンペーンが軌道に乗り始めた今の心境を教えてください
(根本氏)誰かに、自分が普段使っているクレジットカードを「紹介したい!」と考えている人が意外と多いことに驚きました。
(永藤氏)確かにそうですね。クレジットカード会社の紹介キャンペーンの施策について競合調査もしてみましたが、インターネットで検索できる限りでは少数でした。しかし一方では、わざわざ「東急カード 紹介キャンペーン」といったキーワードで検索している人がいたり、あとはお問い合わせフォームに「紹介をしたい」という問い合わせが入ったりすることもあります。
そういった会員様の「紹介したい!」という気持ちに応え、後押しできるように、私たちはビジュアルにこだわるなど、打ち出し方の工夫をしていこうと考えています。
—紹介キャンペーンで、今後、取り組んでみたい施策はありますか?
(根本氏)すでに、いくつもアイデアはあります。例えば、LINEを使った紹介キャンペーンが支持されていることから、東急ストアのLINE公式アカウントと連動してキャンペーンをすることもできると思います。東急ストアの顧客リストのなかから東急カード会員だけセグメントして、紹介キャンペーンの告知をするのもいいですよね。
それから東急グループの従業員向けの紹介キャンペーンも施策の一つとして取り組んでいきたいです。実際に現在も「紹介したら商品券をプレゼントする」など、アナログなキャンペーンはしていますので、そのままクチコプレミアムに実装するのもいいですね。
(永藤氏)私は、加入したカードごとに、プレゼントのポイント還元率を変えてみたいです。通常は3000ポイントプレゼントのところ、ゴールドカードの加入でもっと上乗せできたら、入会意欲の促進、LTVの向上につながると考えています。
—これからクチコプレミアムの導入を検討している方に向けて、メッセージをお願いいたします。
(根本氏)Webの広告費がどんどん高騰しています。そういった背景があるなかで、次に取り組む施策は紹介キャンペーンではないでしょうか。
会員様が次の会員様をつなげてくれる循環の仕組み化をご検討でしたら、この方法は有効だと思います。
—最後に、東急カードの展望について教えてください。
(永藤氏)東急沿線に住む人々の暮らしにもっと寄り添い、親から子へ、そして成人したら「TOKYU CARDを持つ」という流れが紹介キャンペーンから自然に生まれてくることが理想です。そのためには、東急グループ全体の魅力やシナジーを高め、私たちのカード事業で東急グループ全体の横のつながりを強めていきたいです。
~お忙しいなか、ご協力いただきありがとうございました~
取材日時:2024年6月
DATA
店舗・企業名 | 東急カード株式会社 |
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カテゴリ | 事例 |
備考 | ・東急カードHP https://www.topcard.co.jp/ |