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事例・利用例

紹介キャンペーンのデジタル化により新規会員獲得数が単月2倍へ。お客さま同士のつながりを可視化・数値化しLTV向上を狙う

紹介キャンペーンのデジタル化により新規会員獲得数が単月2倍へ。お客さま同士のつながりを可視化・数値化しLTV向上を狙う

株式会社岡山スポーツ会館

経営戦略室DX担当チーフ
総務経理部チーフ 延原 通穂 氏

経営戦略室部長
兼営業部ヘルスケア事業担当部長
兼人事部付部長 
中井 崇之氏

OSK西バイパスこども館支配人
兼経営戦略室DX推進担当 河村 圭亮氏

「OSKスポーツクラブ」(株式会社岡山スポーツ会館)について
健やかで幸せな「健幸社会」を追求し、岡山から日本を元気にすることを目指してきたOSKスポーツクラブ。1972年の設立以来、地域に根付き、子どもから大人まで地域の人の健康づくりを担ってきました。OSKは岡山県内に4店舗を展開し、スイミングやフィットネスをはじめとする多様なプログラムを提供するだけでなく、自治体のスポーツ施設の運営受託や指導者の育成を行っています。
https://www.osk21.co.jp/

岡山県の地域に根付いた健康事業を展開しているOSKスポーツクラブ(以下OSK、運営:株式会社岡山スポーツ会館)では、チラシを主軸としたアナログな集客手段からデジタル活用へと積極的に推進しています。集客のDX化に着実に取り組む、経営戦略室部長 兼 営業部ヘルスケア事業担当部長兼人事部付部長 中井 崇之氏(以下、中井氏)、同 経営戦略室 DX担当チーフ 総務経理部チーフ 延原 道穂氏(以下、延原氏)、OSK西バイパスこども館支配人 兼 経営戦略室DX推進担当 河村 圭亮氏(以下、河村氏)に、紹介キャンペーンについて詳しくお話を伺いました。
※クチコプレミアム顧客事例 2024年11月取材

◾️デジタル活用で紹介キャンペーンの加速に期待

—まずはクチコプレミアムのお話を伺う前に、OSKの集客方法について教えてください。 

(中井氏)現在はアナログとデジタルの両軸での集客をしています。アナログな集客方法としては、現在でも「新聞折り込みチラシ」を配布、デジタルではMeta広告(FacebookとInstagramへの広告出稿)をしています。 

それらの広告コストについては紙媒体が1店舗あたり年間100万円前後。4店舗あるので年間の広告コストの合計は約400万円といったところでしょうか。一方、SNSの広告費用は4店舗の合計で月間約10万円、年間で約120万円ですね。

概算になりますが、広告費で年間520万円前後は使っている計算です。

—これまで紹介キャンペーンはどのように取り組んでいましたか? 

(中井氏)これまで紹介キャンペーンはチラシを手渡しして実施していました。

(河村氏)A4のチラシをデザインして、印刷して、折って、封筒に入れて…と、会員様がお友だちに手渡ししやすいようにリーフレット型になるよう、時間をかけて作っていました。

この「紙を渡す」タイプのアナログな紹介キャンペーンは昔からよくある方法ですが、すでにデジタル時代の今には不向きです。なんといっても、お友だちに「紙を渡す」ってハードルが高いですよね。わざわざ紹介状を渡しに会いに行くことはまずしませんから。

(中井氏)補足すると、OSKにはお子さまの会員も多いです。通ってくださるお子さまの保護者の方々はLINEでやりとりしていることがほとんどです。そのため徐々にLINEを使って、保護者のコミュニティの中で紹介状を気軽に渡すことができたらいいのに、と考えるようになっていきました。

(延原氏)さらに、入会手続きの際に、「実は知り合いがいたのでキャンペーン適用にしていた」という“後出し紹介” もありました。“後出し紹介”の話が出るたびに「本来の紹介キャンペーンの仕組みが機能していないのでは…?」と、モヤモヤしていましたね。

とはいえ、このアナログな方法でも集客効果はありまして、紹介キャンペーンを加速させる対策をすれば、もっと数字は伸びていくだろうと予測をしていました。

クチコプレミアムの導入前は、季節ごとにデザインを変えたチラシを制作。制作にかかる時間は7~9時間、その他、配布の手間も負担だったそうです。導入後は告知までの作業工数がわずか1時間に減少しました。
また、運用開始後は定期的にやらなくてはいけなかった「アナログなルーティン業務」がなくなり、本来の業務に専念できるようになりました。同じ作業を繰り返す疲労やストレスからも解放されたそうです。

「クチコプレミアムの導入後は『わざわざ紙の紹介状を渡しに行かなくて済むので、とても楽になった』とお客様からも喜びの声が届きました。紙を渡すことがネックだったんだ、と改めて感じました」(河村氏)

◾️基幹システムをhacomonoに。同時にクチコプレミアムを導入

—では、次にクチコプレミアムとの出合いについて教えてください。 

(中井氏)まず、弊社の取り組みのひとつにDX推進があります。デジタル技術を活用して新たな価値を生み出していきたいという思いから、弊社の基幹システムを「hacomono」(※1)にリプレイスすることが決まりました。

そのリプレイスのタイミングで、「hacomonoとAPI連携をしているシステム」と紹介していただいたのがクチコプレミアムです。

(※)hacomono(ハコモノ)とは、フィットネスクラブ運営に必要な機能を搭載した、会員管理・予約・決済システムです。OSKでは、会員の出欠管理や予約・振替管理、会費の徴収などすべてhacomonoで実施。会員は施設を利用する前に必ずhacomonoにアクセスする仕組みになっています。

—クチコプレミアムを選択する際は、どのような点を比較・検討しましたか?

(中井氏)選んだ理由は明確に2つあります。

1つ目はhacomonoとクチコプレミアムがAPI連携(※2)をしている点、2つ目は紹介キャンペーンにおける作業工数が実質0分という点です。

(延原氏)導入の際に他社のシステムも検討しましたが、サービスによっては「誰が誰の紹介で入会したのか?」という「会員同士の紐づけ作業」は目視での確認が必要で、作業工数がかかる仕様になっていました。

一方、クチコプレミアムは、hacomonoとデータ連携をしていますから、そうした確認作業の手間がまったくかかりません。予め決めた「トリガー」を通過すれば、紹介が成立したことがわかる仕組みになっているのです。

(中井氏)また、これから弊社がやっていきたいことのひとつに「データ分析」があります。そのためには当然、ひとつのシステムで運営していく方がデータの扱いが簡単ですから、会員管理の情報を一元化できる「hacomono+クチコプレミアム連携」がいちばんの決め手になりました。

API連携をしていることで、開発工数・費用を削減。システムの規模を拡大せずとも、スムーズに最新データを取得できます。柔軟にカスタマイズも可能

◾️導入効果はてきめん、単月で36%の新規入会者が紹介ベース

—それではクチコプレミアムの導入効果について教えてください。

(中井氏)まず、2024年10月の新規入会者の合計数値をお伝えします。

ここの岡山店では例年10月は50~60名の新規入会が平均値でしたが、2024年10月は100名を超えました10月は比較的、閑散期なのですが、これほどの数字をたたき出したことは今まででは考えられません。

また入会時のアンケートの集計では、これまでの累計では約24%が紹介経由でしたが、10月に限っては約36%の人は紹介がきっかけで入会。つまり紹介入会率は12%もアップ。伸び率が格段に違いますね。

(延原氏)これらの数字があらわすように、hacomonoとクチコプレミアムを2024年10月に導入したばかりとはいえ、同年10月、11月の紹介キャンペーンは好調な走り出しです。特に24時間ジムを利用しているZ世代の大学生たちに受け入れられていまして、一人の会員様から複数のお友だちに紹介するケースが何件も見られました。

中には10名以上のお友だちを誘っているケースもあります。そうやってシステム上で「誰が誰の紹介から入っているのか?」を可視化し、コミュニティのキーパーソンまで浮かび上がってくるところに、新しいビジネスが隠れているのではないか?と仮説を立てています。

 

24時間ジムなど、比較的若い年齢層が使う施設では、「仲間同士」での利用が顕著。紹介キャンペーンのデジタル活用によって、会員と見込み会員同士の情報のやり取りがしやすくなりました。中には10名以上のお友だちを誘う方もいます。

「クチコプレミアムではどの会員様が何件紹介しているのかが可視化できます。そのため、今まで気づけなかった課題やチャンスを発見できる点がメリットですね」(延原氏)

—社内における導入効果についてはいかがでしょうか。

(河村氏)社内のバックオフィスの手間や管理コストが減りました。たとえば、見込み会員様と会員様の紐付けや、特典を受け取っていただくための案内やギフトカードの発行、金券管理などが発生していました。また、紹介してくれた会員様に連絡が取れなかったり、来店されなかったりするケースもあったので、対応が宙ぶらりんの状態になることも…。

これまで人とモノが動いていた、見えていなかった部分の工数削減の効果はものすごく大きな違いです。

■hacomono+クチコプレミアム連携で実現するデータドリブン経営

—hacomonoと連携した後の「紹介が生まれる仕組み」を教えてください。

(延原氏)会員様たちがOSKを利用するときに必ず開くシステムがhacomonoです。そのhacomono上で常時紹介キャンペーンについて告知をしています。

このように会員様が日ごろから利用するプラットフォームに情報を掲載しておくだけで露出が増えて紹介件数も飛躍的に伸びました。

私たちが取り組んだ施策は、これといって特になく、hacomonoとクチコプレミアムが連携していることで紹介入会が自動的に生まれています。

今後はデータを活用して、もっとデータ分析を用いた集客施策やLTV向上のための施策ができればと考えています。

hacomonoの画面上でのクチコプレミアムの見え方

入会時の自動配信メールのフッターに紹介キャンペーンの記載するほか、予約約管理画面のサイドバーに紹介キャンペーンの情報を常時掲載しています

—今後、クチコプレミアムに蓄積されたデータをどのようにデータ分析で活用していく予定ですか? 

(延原氏)まず見込み会員様向けには「会員と同じ属性の人は、入会しやすいのでは?」と仮説を立てています。地域、コミュニティなど、属性の分け方はこれからですが、データが集まればそこから見えてくるものがあるでしょう。

そして会員様向けには、LTV向上施策がとれるようになります。これまでは、「誰が誰を紹介した」といったつながりまで把握できていなかったのが現状です。ですが、「Aさんにイベント情報を伝えることでBさんたちも誘ってくださるかな」といった、つながりが見えることでの推測や、次につながるアクションがとりやすくなるはずです。

例えば、リーダー的な方や、影響があるキーマンへのアプローチをすることで、入会後もグループでイベントに参加したり、退会を抑える施策が考えられたりと、会員様のコミュニティを軸にした新しいビジネスも創出できるでしょう。

今まで見えてこなかった「紹介の次元」での分析ができるようになったことが新しくて、これからが楽しみです。

hacomonoとクチコプレミアムを活用したデータドリブン経営を視野にいれ、hacomonoで収集したデータをクチコプレミアムなどのITツールで可視化。その後データを分析することで、運・勘・経験に頼った方法から脱却でき、合理的・効率的な施策が打てるようになります

■OSKのこれから

—紹介キャンペーンに取り組もうと考えている皆様に、ひとことアドバイスをお願いいたします。

(中井氏)これからの時代、フィットネス業界は、紹介キャンペーンを促進しなければ生き残れないかもしれません。どこの施設も集客の厳しい状況はかわらないでしょう。

その点、フィットネス業界は紹介経由で入ってきてくださると、一緒にいるから楽しい、一緒にいるから運動ができるといった、入った方同士が「一緒にいる」ということで運動習慣につながっていきます。

このような紹介から生まれる「時間」や「価値」が大切だと考えます。クチコプレミアムを運営するマーケティングデザインの調査データによると、「紹介経由の会員様は在籍期間(LTV)が2か月長い」という結果もあるそうです。

新規の会員獲得については、単純に費用対効果を見てしまいがちですが、数字だけでなく、「楽しさ」などの価値や、そこから生まれるLTVにも着目してみるとよいかもしれません。私たちは費用対効果に加え、紹介キャンペーンの価値も大切にしながら継続して取り組んでいきたいと思います。

「紹介キャンペーンは、人と人がつながり、楽しい体験を生み出す素敵な集客施策」(中井氏)

—これからOSKについて、展望をお聞かせください。

(中井氏)OSKは岡山県の地域密着型のスポーツクラブです。競合他社もがんばっているなかで「OSKは笑顔いっぱいの対応で雰囲気がいい」「OSKにはいい人が集まっている」というOSKならではのブランドを確立していきたいです。

フィットネスクラブのサービスは、どこも基本は変わらないはずです。ですからサービス内容ではなく価格でもなく「ブランド力」で選ばれるようになっていきたい。

そのために必要なことは紹介からの新規会員獲得だと考えます。会員様が気に入っているところを添えてお友だちに紹介してくださると、その魅力がどんどん伝播していくと思うんです。そういう人と人とのつながりを生み出せる場所でありたいです。

DATA

店舗・企業名 岡山スポーツ会館
所在地域 岡山県
職種 スポーツクラブ
カテゴリ 事例