リファラルマーケティング
【マーケ担当必見】お友達紹介キャンペーンを実際に設計してみた!
2021-08-10
こんにちは。
リファラルマーケティングスペシャリストの田邊です。
本日は「田邊が実際にお友達紹介キャンペーンを設計してみた」という企画で、記事を執筆いたします。
これまで40本以上の記事で「リファラルマーケティング(お友達紹介)」に関して発信してきましたが、今回は実際にどのようにキャンペーンの設計手順を簡単にご紹介いたします。
設定としては下記で進めます。
- ・渋谷に構える、パーソナルトレーニングジム
- ・従業員は5人で会員数は50人
- ・平均顧客単価は10万円
かなりボリュームのある記事になりますが、是非最後までお付き合い頂ければと思います。
集客に関する新たなヒント掴んで頂けると幸いです。
目的と目標設定
まずはなぜお友達紹介を導入する目的と目標の確認です。
ぶれない目的と、定量評価できる目標を定めておくことで、一貫したキャンペーンが実行可能です。
- ・なぜ紹介キャンペーンを始めるのか?
- ・紹介で月間何名の顧客を獲得したいのか?
この2点を軸に設定します。
今回は以下のように設定します。
- 目的:会員数を増やして、売上げアップ
- 目標:新規体験者を紹介から毎月5名以上獲得
リソースの確認
次に社内リソースの確認です。
有名な経営資源フレームワークと照らし合わせると「ヒト、モノ、カネ、情報」を軸に確認します。
- ・キャンペーン運営を担当できる人的リソースは?
- ・お友達紹介ができるシステム基盤等はあるのか?
- ・初期、継続投資できる予算はどれくらいあるのか?
- ・社内にお友達紹介のノウハウはあるか?
今回は上記を軸に以下のように設定します。
- ・キャンペーン運営を担当は1人
- ・エクセルで顧客管理をしているので、システム等は特にない
- ・初期予算は10万円、月予算は5万円
- ・ノウハウはなし、お友達紹介は初の取り組み
以上で、お友達紹介を始めるために必要な社内タスクが整理されました。
競合のキャンペーンを確認
キャンペーン設計に入る前に、競合の状況も確認します。
主に確認したい点は以下の通りです。
- ・競合は紹介に取り組んでいるのか?
- ・どのようなキャンペーンを打っているのか?
- ・自社で生かせそうな点は?
固有名詞は伏せておきますが、実際に渋谷エリアのパーソナルジムで紹介キャンペーンに取り組んでいる例を元に、下記のようにまとめました。
- ・自社サイトにお友達紹介専用ページを立て、細かく訴求している
- ・紹介のステップをわかりやすく説明している
- ・紹介特典としてグルメを贈呈している
これらの情報は自社にも大いに役立ちます。
例えば自社サイトにお友達紹介専用ページを作成する際は、紹介ステップをすべて公開します。
ターゲット設定
次にターゲットの設定です。
こちらの記事でも解説していますが、お友達紹介のターゲットは「既存顧客」です。
既存顧客にアプローチし、新規顧客を紹介してもらいます。
そしてさらにターゲットの「既存顧客」をロイヤル度別に細分化すると、大きく下記の4つのロイヤルティの状態に区別されます。
- ・頑固たるロイヤルティを示す消費者(いつも決まったブランドしか買わない消費者)
- ・ロイヤルティの対象が複数ある消費者(2~3のブランドにロイヤルティを示す消費者)
- ・ロイヤルティの対象が移り変わる消費者(あるブランドから別のブランドに目移りする消費者)
- ・ロイヤルティがなく移り気な消費者(どんなブランドにも全くロイヤルティを示さない消費者)
▲出典:コトラー&ケラーのマーケティングマネジメント(12版)
つまり紹介戦略としてまずアプローチすべき顧客セグメントは「頑固たるロイヤルティを示す消費者(いつも決まったブランドしか買わない消費者)」となります。
このセグメントの顧客は、既に自発的に紹介を起こしてくれている可能性も高いですが、初期のフェーズでは確実に取り込むべき対象として捉えるべきでしょう。
お友達紹介では、「紹介してくれる人」と「全く紹介してくれない人」はどうしても二分されてしまいます。
お客様を分析→アプローチ→反応を分析→アプローチする対象を絞り込むというサイクルを繰り返し行うことにより紹介総数を増やすことができます。
加えて、紹介者がさらに紹介を起こしやすいように、企業側は「どのような人を紹介してほしいのか?」という点を明確に示すと良いでしょう。
「こんなお友達やご家族の方はいらっしゃいませんか?」と題し、紹介してほしい人のペルソナを提示します。
今回は以下の通りまとめました。
- ・パーソナルに週2回以上、継続期間が2ヶ月以上の人をコアターゲット
- ・新規入会者(入会時にアプローチ)を戦略的ターゲット
- ・ダイエットが続かない、これから取り組みたい、確実に結果を出したい知り合い
キャンペーン概要
上記が主な現状分析とターゲティングまでのセクションです。
ここからは具体的なキャンペーン設計に入ります。
まずは下記3点から設定しましょう。
- ・CVポイント(紹介成立)はどこにするのか?
- ・キャンペーン期間は?
- ・紹介特典はなにを誰に贈呈するのか?
CVポイント(紹介成立)はどこにするのか?
お友達紹介におけるCVポイントは大きく2つの戦略があります。
①購入をCVポイントにする場合
②段階的にCVポイントを作る場合
②の具体的な活用としては、初回来店で小さなプレゼント、その後入会で別のプレゼントという様にいくつかのポイントを設け、段階的に顧客獲得していく戦略です。
今回は、「体験申し込み」をCVポイントにします。
キャンペーン期間は?
お友達紹介キャンペーンの実施期間に関しても、大きく分けて2つのパターンがあります。
①期間限定で行う場合
②通年行う場合
特定の時期の販促を強化したいという場合は①の期間限定でもよいかとは思いますが、今回は下記3つの理由から「通年キャンペーン」として展開します。
- ・お友達紹介制度の認知形成に一定の時間がかかる
- ・顧客の平均継続期間が3ヶ月のため、比較的入れ替わりが早い
- ・新規入会時に同時に紹介制度の案内をしたい
紹介特典はなにを誰に贈呈するのか?
紹介特典は様々なパターンがありますので、詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
今回は「体験者のCPAを5,000円」と仮定し、Quoカード2,000円を紹介者・紹介相手の双方に贈呈します。
お友達紹介制度は、うまく運用できるとCPAを調節できます。
特典内容は顧客の反応次第で随時変更していく予定です。
まとめ
キャンペーン概要設計を以下にまとめました。
- ・「体験申し込み」をCVポイント
- ・「通年キャンペーン」として展開
- ・体験者のCPAを5,000円と仮定し、Quoカード2,000円を紹介者・紹介相手の双方に贈呈
お客様の紹介方法
キャンペーンの概要が固まったので、次はお客様が紹介しやすい仕組みの設計です。
主に以下をベースに考えます。
- ・お客様の紹介方法に関して
- ・各ステップの可視化と「紹介の流れ」への落とし込み
お客様の紹介方法に関して
お客様の紹介方法はお友達紹介制度を設計する上で1番大切な部分です。
主な方法としては、URL共有、QRコード共有、LINE・メール紹介、SNS紹介、紹介コードの共有、口頭紹介のみがあります。
お客様の利便性とシステム投資額は比例します。
また業種業態により、ベストな紹介方法も異なります。
*カスタマージャーニーマップを軸に考察するとわかりやすいです
したがって、初期の段階は投資額が少なくて済む且つできるだけ紹介しやすい仕組みを選びましょう。
今回は現実的な手段として「URL共有+名前」を選択します。
紹介キャンペーンページのURLと紹介者の名前を、被紹介者に任意の媒体で送信→受け取った情報を元に被紹介者は申込み→申込みの際に紹介者の名前を入力し、店舗に伝達という仕組みです。
各ステップの可視化と「紹介の流れ」への落とし込み
紹介方法が決まれば、お申し込みの流れを以下2点を軸に設計しましょう。
- ・紹介者の申し込みの流れ
- ・紹介される人の申し込み流れ
両者が紹介キャンペーンに参加する際、具体的にどのような行動をとればよいか、細かく明記します。
これらを設計後、WEBサイトを始めとするキャンペーンページにお申し込みステップを明記します。
お客様がストレスなく紹介できる環境を徹底的に整えます。
今回は以下のように明記します。
■紹介者のあなた
①お友だちへ次の2点を「LINEまたはメール」でお送りください。
・紹介用URL
・あなたのフルネーム
②お友達がご来店次第、担当者から「紹介成立連絡」が届きます
③次回来店時に紹介特典をプレゼント
■ご紹介されたお友だちの方
①「ご紹介」を受けたら体験申し込みへ!
②初回体験時に「紹介者の方のお名前」をスタッフにお伝えください
③紹介特典をプレゼント
顧客データ管理方法
次に顧客データ管理方法を模索しましょう。
まずは「既存の顧客データベースに紹介情報の格納は可能か?」という点を確認します。
格納可能が望ましいですが、不可能な場合は別にお友達紹介専用のデータベースを構築する必要があります。
その際はExcel活用が1番手軽かと思います。
その上で最低限蓄積したい情報は以下3点です。
- ・紹介者同士の紐付け
- ・どちらが紹介者でどちらが紹介された人なのかを把握
- ・特典付与の状況
今回は顧客データをExcelで管理している設定にします。
つまり上記3点を新たにExcelに格納できるようにします。
利用規約
ある程度オペレーションが固まった段階で、利用規約も作成します。
利用規約には紹介適応条件、対象者、注意点、紹介方法、お問い合わせ等の情報を含みます。
内容は企業によりけりだと思いますので、他社のお友達紹介規約を参考にしてください。
今回は利用規約を省略します。
告知方法
キャンペーン設計が固まりましたので、次はキャンペーン告知方法を設計します。
キャンペーン告知は紹介数にダイレクトに関わる重要なタスクです。
顧客が紹介したい!と思った時、すぐに「この企業はこんな紹介制度がある!」と連想してもらえる状況が理想です。
したがって、可能な媒体をフル活用し、認知を高めていくべきでしょう。
代表的な告知媒体を以下にまとめていますので、参考にしてください。
主な店舗ビジネスでのよくあるアプローチ
- 店舗内にポスターを貼る
- お客様1人1人にお声がけ(会計時に小さいカードを配る等)
無店舗型では下記がよくあるアプローチ
- メルマガで告知
- SNSでの告知(既存顧客以外にも到達しますが、実施しましょう)
- 購入後の画面に紹介に関する趣旨を表示
- Webサイトに紹介CP専用ページを作成
- 商品発送時に紹介CPに関するお知らせを同封
今回は以下の媒体で告知することにします。
- WEBサイトに専用ページを作成し告知
- 店内にポスターとPopup
- スタッフが1人1人に声掛け
- メルマガで告知
- 入会時の書類に同封
例えばポスターは更衣室、トイレなどにも積極的に掲示します。
告知回数をできるだけ増やして、認知を高めましょう。
販促物の準備
告知方法の設計と共に、告知物の準備も必要です。
- キャンペーン専用ページの作成
- バナー、ポスター、カードの作成
告知媒体に基づく、必要な販促物の準備を進めましょう。
KPI設計
次にキャンペーンを定量評価するためのKPI設計です。
今回は新規会員数をKGIと設定し、KPIを以下のように設定します。
- 紹介LPのPV数
- 紹介専用ページのPV数
- 紹介からの体験申し込み数
- 体験→入会率
アナログな手法で行っているので、ブラックボックスになってしまう点が多数あるのがデメリットです。
今後スケールアップする際は、「紹介URL共有数」等も計測していきたいところです。
オペレーションフロー
お疲れ様でした、最後のセクションです。
最後にスタッフのオペレーションフローを確認します。
具体的には以下を検討しましょう。
- 紹介者が来店した際のフロー
- データベースの扱い方のルール設計
- 紹介確認方法
- 紹介特典付与時の流れ
上記を事前にまとめておくことで、スムーズなキャンペーン運営が可能です。
余談:スケールアップに関して
上記で設計したキャンペーンを実行し、一定数の紹介入会者を獲得できたと仮定します。
すると紹介フローや仕組み化で、改善点が出てくるかと思います。
そんな時のために、下記を事前に検討し準備しておくとスムーズはスケールアップが可能です。
- ・今後どのようにスケールアップしていくのか?
- ・どのタイミングで評価していくのか
今回は簡単ですが、以下のように取り決めることにします。
- ・紹介数が月8人以上になった場合、紹介専用システムを導入
紹介専用システムとは、「お友達紹介を簡単に運用、お客様も簡単に紹介できるシステム」です。
弊社のクチコプレミアムを始め、海外ツールも合わせて検討していくとよいかと思います。
紹介専用システムを用いたスケールアップに関してはこちらの記事で詳しく解説しておりますので、あわせてどうぞ。
最後に
いかがだったでしょうか?
簡単ではありましたが、お友達紹介キャンペーンの設計手順を紹介しました。
もちろん上記以外のアプローチも無数に存在しますので、1つの参考として理解していただければと思います。
ご不明点やご相談等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今回も最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
次の記事もよろしくお願いいたします。