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リファラルマーケティング

【徹底調査】ECサイトでのリファラルマーケティング活用!ECサイトの売上を伸ばしたい方必見!

2021-02-08

【2021/09/02 更新】

こんにちは、リファラルマーケティングスペシャリストの田邊です。

本記事では、EC(通販)サイトでのリファラルマーケティング(お友達紹介キャンペーン)の活用状況を知るために、日本のECサイト40社調査・考察いたしました。
昨今の広告費や顧客獲得コストの高騰で、費用対効果の高い集客方法として、「既存顧客からの新規顧客拡大」を検討される事業者様も多いのではないでしょうか?

本記事を読んで頂くと以下のことを把握できます。

  • ・リファラルマーケティングに関すること
  • ・リファラルマーケティングのポイント
  • ・日本のECサイトのリファラルマーケティング事情
  • ・キャンペーン内容(特典、仕組み等)

何か新しい集客のヒントを掴んで頂けると幸いです。
またEコマース業界のお友達紹介事例はこちらの記事で特集しています。

調査概要

今回の調査では以下を元に簡単な「EC(通販サイト)のリファラルマーケティング活用状況調査」を行いました。

  • ・調査日:2021/01/22
  • ・調査対象:EC(通販サイト)の紹介キャンペーンを展開している40社(カテゴリーもランダム)
  • ・調査内容:紹介者特典、紹介者特典金額、紹介された人の特典、紹介された人の特典金額、特典構造、店舗側への伝え方、紹介者間の紹介方法

これらのデータを分析することで、ECサイトで運用されているリファラルマーケティングの傾向や課題点が明白になりました。
各ポイント別に私の考察も添えてお伝えしていきたいと思います。

リファラルマーケティングとは?

リファラルマーケティングとは、お友達紹介キャンペーンとも呼ばれる、「既存顧客からの紹介で新たな顧客を獲得する」というマーケティング手法です。
特に既存顧客に働きかけて新規顧客を連れてきてもらい、御礼にインセンティブ(特典)を贈呈するというキャンペーンが一般的です。

リファラルマーケティングのメリットは以下です。

  • ・無駄な広告費が発生しない
  • ・完全成果報酬型のキャンペーンを展開できる
  • ・紹介を受けた人の成約率が高い(調査では約6割強)
  • ・紹介者と紹介された人は共同購買体感になるので、LTVの向上が期待できる
  • ・顧客のロイヤリティを計測することができる

一方で、「お客様の満足度」が低い商品・サービスは全く紹介が発生しません。
この点を頭に入れてリファラルマーケティングに取り組みましょう。

リファラルマーケティングに関しては下記2本の記事で詳しく解説しておりますので、あわせてご確認ください。
【徹底解説】リファラルマーケティングの解説と活用方法まとめ
【徹底解説】お友達紹介キャンペーンはLINEを活用しよう

それでは調査結果を元に、EC業界のリファラルキャンペーンについて考察します。

EC業界のリファラルマーケティング考察①:紹介特典の傾向と考え方

まず初めに「紹介特典の傾向と考え方」について考察します。

紹介特典構造

EC業界での紹介特典構造は40社全て「紹介者と紹介された人の双方に特典贈呈」を採用していました。
つまり、紹介した人も紹介された人も紹介特典を受け取れるということになります。

以前調査した他業界のキャンペーンでは、片方のみ特典を受け取れるという特典構造も多く見られましたが、調査範囲のEC業界では1社も見られませんでした。

紹介者は知人を紹介する際の心理的ハードルとして「特典の為に友人を紹介したと思われないか?」というハードルがあります。
したがって、紹介した人もされた人もお得なキャンペーンを構成することが必須です。

紹介者特典

紹介者特典とは文字通り「紹介した人が貰える特典」を指します。
よくある特典としては、商品券(QUOカード)、ストアクレジット、割引券、無料サンプル、ギフト、現金還元などが挙げられます。

EC業界では63%がストアクレジット(ポイント贈呈・店舗専用割引券等)、割引23%、無料商品10%が紹介特典として設定しています。

業界により特典設定は様々です。例えば賃貸業界ではストアクレジットはほとんど用いられず、現金特典や商品券などの即効性と自由度の高い特典が多く採用されています。
紹介特典は業界、販売商品、各店舗の戦略などに大きく左右されます。

EC業界の場合は「次回以降の購入」を目的とするストアクレジットが多い傾向がありました。

ストアクレジットの導入の際に注意したいのは「顧客にとって、ストアクレジットは次回も購入しないと使用できないものなので、一部ユーザーにとっては紹介動機にならない」という点です。
紹介キャンペーンの目標を「新規顧客獲得」に絞る場合、紹介特典としては「商品券」「Quoカード」などの使用ハードルが低いものを検討してみるもの良いでしょう。

紹介された人の特典

紹介された人の特典内容は、基本的には紹介者特典と同じ考え方で構成されています。
ポイントとしては「紹介された人はこれから購買する」ということを再認して、特典の設定をすると良いでしょう。

本調査結果としては、紹介された人の特典の約50%(ポイント贈呈等)、25%が次回購入時の割引券、残りの20%が無料商品(サンプル等)でした。また他店で使用できる商品券のようなものを紹介特典として採用している企業は全体の5%以下になりました。

紹介者特典と並び「ストアクレジット(ポイント贈呈等)」を特典採用している企業が多い結果になりました。
私は以下の理由から、この特典構成は非常に理にかなっていると考えます。

紹介された人はこれから商品を購入する人であるので、「初回購入金額からの割引」というのは顧客の最終意思決定にもプラスの影響を与える、非常に有効な方法である

またこの考え方を基本にその他特典の可能性について考えた時、「無料商品(サンプル等)」も紹介された人向けの特典としては非常に有効かと思います。
新規顧客に対し、自社が売り込みたい商品のサンプルを紹介特典として贈呈するのはいかがでしょうか。「顧客に実際に使用してもらう」というベストな顧客への商品アピールの機会を生み出すことも可能になります。

紹介特典金額

紹介特典を設定するにあたり、特典金額の調整は非常に大切な要素の中の1つです。
こちらも業界や扱う商品価格によりけりですが、EC業界では他業界などと比べて比較的特典金額が低い傾向があります。
以下に特典金額の調査結果をまとめました。

  • ・紹介者特典金額の73%、紹介された人の58%が1000円以下を特典として設定
  • ・1番高価な特典金額は3000円程度
  • ・10%程の違いだが、紹介された人の特典金額が紹介者特典より大きい傾向にある

参考程度にですが、賃貸業界では1万円程度、不動産では10万円を上回る紹介特典を設定している場合もあります。
こちらは自社の新規顧客獲得コスト等と照らし合わせて決定するのが適切かと思います。

ここまでのまとめ

  • ・紹介特典は紹介者と紹介された人の双方に贈呈
  • ・紹介者特典は商品券(QUOカード)、ストアクレジットなどを中心に検討
  • ・紹介された人の特典はストアクレジットか無料商品を中心に検討
  • ・紹介特典金額は1,000円を目安に

EC業界のリファラルマーケティング考察②:紹介発生時、店舗側への伝達方法

店舗側への伝達とは、「どのように紹介者が店舗側に紹介した旨を伝えるか」という点です。
伝達方法についてはアナログな「電話、チラシを持って来店」から「システムが自動で認識する」といった最新の手法まで幅広く用いられています。

EC業界での伝達方法は下記の傾向が見られました。

  • ・自動伝達(紹介コードの入力等)が54%
  • ・申し込みフォームからの伝達が32%

ECでは大量の顧客の対応が必要になるので、自動伝達システムの導入は必須になるかと思います。

以下で「自動伝達システム」と「申し込みフォーム」のメリット・デメリットを解説していきます。

自動伝達システムについて

自動伝達システムの例:Aさんが商品購入終了後、紹介訴求画面に紹介したい相手BさんのEmailアドレスを入力し送信。この際Bさんには紹介リンク付きのEmailが自動送信され、店舗側のデータベースにはAさんがBさんに紹介メールを送信した記録が残ります。店舗側では随時紹介の進捗確認ができるようになります。

自動伝達システムのメリット

  • ・紹介フローが自動化される
  • ・紹介者の紐付けも自動化できるため、従業員の工数の減少
  • ・自動Emailと組み合わせると、紹介された人に対して自動で自社の宣伝と紹介キャンペーンに関する情報を伝達できる

自動伝達システムのデメリット

  • ・システム開発が必要
  • ・システム管理者による継続的な運用・保守が必要
  • ・複数の紹介方法(SNS共有、URL共有、自動Email等)を準備する場合にはシステムがより複雑になる

申し込みフォームについて

申し込みフォームとはその名の通り、「紹介者に自身と相手の情報を入力させて、店舗側に送信する」方法です。
私個人としては「申し込みフォーム」などの複雑且つ工数のかかる紹介方法より、シンプルで簡単に紹介ができる仕組みをおすすめします。理由は以下になります。

  • ・紹介者にとって申し込みフォームの入力は大変面倒(離脱の可能性)
  • ・最低限の紹介者情報は、すでに取得済みの可能性が高い為、再度情報を取得する必要はない
  • ・紹介者は「紹介相手の個人情報を多数入力する行為」に抵抗がある可能性がある

これらの理由から、私は紹介キャンペーン時の店舗側への伝達方法として「自動伝達システム」の検討をおすすめしています。

EC業界のリファラルマーケティング考察③:紹介者間の紹介方法

最後に顧客間の紹介方法についてご紹介します。

EC業界の紹介者間では、Email(紹介したい人のアドレスを入力すると自動で紹介リンク付きメールを送信)、口頭伝達、お客様番号の共有の3つが主に使用されています。

Emailとお客様番号の共有は上記で触れた、自動伝達システムを活用していると考えられます。また口頭伝達というのは、「紹介者間の紹介方法に関する仕組みがない」ということになります。例えば、店舗側が紹介チラシを発行→紹介者は紹介したい人に直接紹介の旨を説明し説得→合意したら紹介チラシを渡すというような場合です。この場合は紹介者が「営業マン」になる必要がありますので、一部の場合を除いておすすめできません。

また昨今のキャンペーンでは、LINEやSNS共有等の「複数の選択肢」を用意し、より柔軟な紹介を促す企業も多く見られます。
特に海外の紹介キャンペーンではこの傾向が強いです。
このような選択肢も視野に入れて、紹介キャンペーン戦略を練るとよいのではないでしょうか?

最後に

いかがだったでしょうか?
情報が少なく、未開拓な部分が多い紹介キャンペーンの裏側ですが、本調査が少しでも皆さんのご参考になれば幸いです。
以下に本調査のまとめを記載しておきます。

  • ・紹介特典は紹介者と紹介された人の双方に贈呈
  • ・紹介者特典は商品券(QUOカード)、ストアクレジットなどを中心に検討
  • ・紹介された人の特典はストアクレジットか無料商品を中心に検討
  • ・紹介特典金額は1,000円を目安に
  • ・店舗側への伝達は自動伝達システムの導入がおすすめ
  • ・紹介者が紹介をしやすくする為の仕掛け(入力項目を減らす)
  • ・「紹介者間の紹介」をしっかりとコントロール
  • ・紹介者間の紹介方法はできるだけ複数用意(SNS共有、Email共有)

これからも皆様にとって有益になるように記事を執筆してきますので、次回もお楽しみに。

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