リファラルマーケティング
【徹底解説】リファラルマーケティングの解説と活用方法まとめ
2021-04-05
*本記事の内容はこちらよりPDF形式で無料ダウンロード頂けますので、あわせてどうぞ!
皆様こんにちは、マーケティングデザイン紹介キャンペーン担当の田邊です。
本記事では「リファラルマーケティングの有益性・効果」について、解説していきたいと思います。
日本では「お友達紹介キャンペーン・紹介制度」とも言われます。
この記事を読むと以下のことが理解できます。
- ・リファラルマーケティングに関する基礎知識
- ・リファラルマーケティングを活用するメリット
- ・成功するリファラルマーケティングのコツ
- ・リファラルマーケティングの始め方
- ・つまずきやすいポイントと解決策
- ・日本国内・海外でのリファラルマーケティング事例
それではいきましょう。
本日も読者の皆さんが、何か新しい集客のヒントを掴んで頂けると幸いです。
リファラルマーケティングとは?
リファラルマーケティング(Referral marketing)とは、顧客のネットワークを使用して新規顧客を獲得していくマーケティング戦略です。日本ではよく「紹介」と訳されます。
「既存のお客様が御社の商品サービスで素晴らしい体験をした→自分の友だちにもこの経験を伝えよう」と枝分けれして伝わり、新しい顧客を獲得していきます。
なぜいま、リファラルマーケティングが注目されているのか?
広告費の高騰
ここ数年の傾向として、「日本の人口が減少しマーケットが小さくなっているにも関わらず、広告費が高騰している」という非常に厳しい背景があり、できるだけ費用対効果の高い施策を練るということになります。
年々厳しくなる個人情報の扱い
Googleが発表した「サードパーティークッキーの廃止」がさらに追い打ちをかけます。簡単にいうと、「個人情報を利用したターゲティングが難しくなるので、費用対効果がさらに悪くなる可能性が高い」ということです。集客には大打撃です。
費用対効果の高いプロモーション需要の急増
そこでいま注目されているのが「リスクとコストが低い、費用対効果の高い集客方法」、つまり「リファラルマーケティング」です。広告だけに頼る集客の雲行きが怪しくなってきたいま、リファラルマーケティングの注目が高まっています。
リファラルマーケティングを活用するメリット4つ
①情報の信頼性が非常に高い
「リファラル」つまり「紹介」の情報の信頼性は非常に高いです。
実際に商品・サービスを体験した人の生の感想ですので、信頼性は高い水準で担保されます。
いい商品・サービスを提供する企業にとっては、お客様は最高の伝達者です。
②1人紹介する人は複数人連続で紹介してくれる
弊社独自調査の結果によると、紹介は約30%の人が常時おこなっており、その約70%が2名以上紹介しています。
つまり1度紹介した人は連続で複数人紹介する傾向があり、1人の顧客から複数の購買機会が発生していることになります。
リファラルマーケティングの情報信頼度の高さゆえの結果ではないでしょうか。
③紹介された人のその後の購入率が高い
紹介された経験のある人は全体の30%程度であり、そのうち約60%の人は「紹介されたサービスや商品を購入した」と回答しています。
紹介された商品やサービスの成約率は非常に高いです。
これはもちろん業種業態により異なるとは思いますが、リファラルマーケティングを活用する1つの指標としては十分すぎるデータでしょう。
④リスクとコストが低い
リファラルマーケティングのリスクとコストが低い理由としては「成果報酬型が中心」の為です。
詳しくは次章で解説しますが、基本的には「お客様を獲得した際にインセンティブコストが発生」する方式が大半であり、広告のように「結果が出なくても一定の額がかかる」というわけではありません。
リファラルマーケティングの王道「お友達紹介キャンペーン」
リファラルマーケティングの王道は「お友達紹介キャンペーン」です。
お友達紹介キャンペーンとは「既存のお客様から、友人や家族、親戚に自社の商品・サービスを紹介してもらい、その後購入に至った際はインセンティブ(特典)を贈呈する集客方法」です。
紹介キャンペーンは広告のように初期投資がなく成果報酬型の為、リスクが少なく費用対効果の高いプロモーションです。
次の章では「お友達紹介キャンペーン」の始め方手順について解説致します。
お友達紹介キャンペーン(リファラルマーケティング)の始め方
さて紹介キャンペーンの効果やよくある課題感まで理解したら、次は早速導入に向けての一般的な手順を公開します。
既にキャンペーンを運営中の方は、スキップして次の章へどうぞ。
お友達紹介キャンペーンの導入手順1:目標設定
まずは紹介キャンペーンを運用する上で大切な目標設定。
ここで設定した目標により、このあとの戦略が大きく変わってきます。
目標設定時に最低限考えるのは以下です。
- 紹介を通じて何名の新規顧客を獲得したいのか
- 紹介キャンペーンを行う目的(新規顧客獲得の獲得、見込み客の獲得等)
- 顧客獲得単価
- 紹介成立ポイントはどこにするのか
これらをできるだけ具体化してみてください。
今回は例として下記の設定で進めていきます。
ECサイト運営者(客単価12,000円と想定)
- 年間100名の新規顧客を紹介から獲得したい
- 紹介キャンペーンは新規顧客獲得目的、新商品の認知や売上も伸ばしたい
- 平均顧客獲得単価は3,000円
- 紹介成立ポイントは「紹介された人が商品を3,000以上購入した時」
お友達紹介キャンペーンの導入手順2:必要なインセンティブ
次は紹介を起こすための「キッカケ(インセンティブ)」について。
業種業態により一定の傾向はありますが、基本的には割引系、商品券、無料商品の贈呈、ポイント贈呈が中心です。
特典設定時のポイントは
- 特典を受け取った後に顧客をどのように誘導するか
- 顧客にはその特典でどんな行動をしてほしいのか
を前提に検討する必要があります。
ただ思いつきで「割引券」を贈呈しても、紹介のきっかけには、なり得ないことがあります。
詳しい特典の考え方に関しては、別記事で解説しておりますので、下記のリンクより“必ず“ご確認ください。
紹介特典の考え方や割引表示の考え方まで、幅広く解説しております。
読む時間がない人は下記の3点だけでも頭に入れておいてください。
- 顧客が繰り返し購入するような商品やサービスの場合は、割引クーポンをまず検討
- 顧客の繰り返し購入を期待できない場合(高額商品等)は現金還元
- 独自特典(無料商品)を特典選定するときは、「自社しか提供できないもの」という考えをベースに

お友達紹介キャンペーンの導入手順3:運用方法の決定
運用方法の決定時、まず考えたいのは「自社で運営するのか、それとも外部の協力を募るのか」という点です。
自社で0から運用されている企業様のほうが多いのが現状ですが、最近では弊社のような「紹介キャンペーンを専門に支援している企業」もあります。
プロの力を頼るのか自社で行うのかの選択になります。
自社運用をする場合
自社運用の場合、主に考えることは下記になります。
- どのように紹介者同士を紐付けて確認するのか
- 特典の準備や管理はどうするのか
- キャンペーン全体の仕組みはどうするのか
- どのようにしてお客様が紹介しやすい環境を作るのか
①どのように紹介者同士を紐付けて確認するのか
紹介者同士の紐付けは、1番スタッフの工数がかかる業務です。
具体的には、紹介した人が誰を紹介したのか確認するために、両者の紐付けを行う作業です。
この紐付けをしないと、誰にどの特典を贈呈したらよいのかさえもわかりません。
よくある確認方法としては、Excelなどを用いて顧客をリスト化し、紐付け作業をする方法です。
もちろん、紹介発生率が低い段階では可能ですが、紹介ボリュームが増えてきた際はすごく大変の作業になります。
ここは自社の紹介予想と今後のスケールアップを見据えて、慎重に検討していきましょう。
後ほどご紹介する「紹介専用システム」を導入して自動化するのも1つの手段です。
②特典の準備や管理はどうするのか
次に特典管理の方法も検討する必要があります。
具体的には特典の準備と管理・発送手段の確保です。
例えば、無料サンプル商品を特典として設定するとしましょう。
この際、まずは特典を「どのように準備するか」を検討します。
自社製品をそのまま贈呈する場合は、紹介CP用に数を確保するなどですね。
次に在庫をどのように管理するのかについての検討。そしてそれらの発送についての検討です。
これらをしっかりと検討し仕組み化する必要があります。
③キャンペーン全体の仕組みはどうするのか
紹介キャンペーン全体の仕組みについては、非常に悩ましい課題です。
下記でもお伝えしますが、お客様と運営スタッフに負担のない方法を確立することが、
成功する紹介キャンペーンの必要条件になります。
具体的に考える点としては下記が挙げられます。
- お客様が簡単に紹介できる仕掛け(紹介してください!だけだと紹介率は伸びません)
- スタッフが簡単に管理できる仕組み(紹介はどうしてもスタッフの方々に大きな負担がかかります)
- 紹介者の管理方法
これらを考慮して、紹介キャンペーンの仕組みを構築してください。
次の章でコツを解説中ですので、あわせてどうぞ。
④どのようにしてお客様が紹介しやすい環境を作るのか
上記でも触れましたが、紹介してください!だけだと紹介率は伸びません。
紹介しない最大の理由は「紹介が面倒だから」であり、この大きな壁を取り除く必要があります。
現状1番簡単な方法は、「紹介専用リンクの共有」という方法です。
紹介者は紹介相手にURLを1本送るだけで、紹介が完了します。
詳しくは次の章で解説です。
お友達紹介キャンペーンのプロにお願いする場合
弊社のような紹介のプロの力に頼るメリットは、「紹介キャンペーンに特化したシステム」を持っている点ですね。
上記でお話した、紹介キャンペーンの課題を全て抑えているシステムを導入することは、成功する紹介キャンペーンの構築の近道です。迷ったらプロにまかせましょう。
最近では弊社の紹介キャンペーン専用アプリの「クチコプレミアム」を始め、検索すると他のシステムもヒットするでしょう。
日本には未上陸ですが、海外では「紹介キャンペーン専用システム」がどんどんでてきており、紹介キャンペーン=専用システムの導入といったイメージが強いです。
海外の紹介キャンペーンの動向は「海外のお友達紹介キャンペーン成功事例特集」で解説しておりますので、あわせてどうぞ。
お友達紹介キャンペーンの導入手順4:認知を高める方法
紹介キャンペーンの大枠を決定したあとは、それをどのように既存顧客に告知してくいくか考えます。
当然ですが、紹介キャンペーンは“既存顧客”へのアプローチが先決です。
主な店舗ビジネスでのよくあるアプローチは下記です。
-
- 店舗内にポスターを貼る
- お客様1人1人にお声がけ(会計時に小さいカードを配る等)
<li入会時、購入時にしっかりと声掛け(購入直後が1番紹介が起こりやすいタイミングです)
無店舗型では下記がよくあるアプローチです。
- メルマガで告知
- SNSでの告知(既存顧客以外にも到達しますが、実施しましょう)
- 購入後の画面に紹介に関する趣旨を表示
- Webサイトに紹介CP専用ページを作成
- 商品発送時に紹介CPに関するお知らせを同封
業種業態によりアプローチは様々かと思いますが、上記を是非参考にしてみてください。
リファラルマーケティングを成功させるためのコツ3つ
最後にリファラルマーケティングを成功に導くためにコツを3つお伝えします。
リファラルマーケティングを成功させるためのコツ①;告知を最大限に
リファラルマーケティングを成功に導くためには、お客様に知ってもらうことが不可欠です。
「紹介」は突然発生します。
友人とのコミュニケーションの中で、紹介するチャンスがあった際、お客様の頭の中に「このブランドは紹介キャンペーンをやっていて、いま紹介すると友人までお得な特典が受けられる」ということを思い出してもらう必要があります。
そのためにも通年を通してお友達紹介キャンペーンを実施し、常日頃から「お友達紹介キャンペーン実施中」と訴求してください。
リファラルマーケティングを成功させるためのコツ②;紹介する状況を想定
私は紹介が発生するタイミングにはいくつかのパターンがあると考えており、今回は想定される4つのパターンをご紹介。
- 友人が自分の使っている商品サービスを使うと、役立つと思った時
- 友人と話していて、自分の使っている商品サービスの話になり、友人が興味を持った時
- 友人にオススメの商品サービスを聞かれた時
- 使用している商品サービスが紹介キャンペーンを行っていると知り、お得な特典がほしいと思った時
これら4つの状況に共通することは、「お客様に自社の製品を話題にしてもらう必要がある」という点です。
ここはプロダクト頼りになりがちですが、リファラルマーケティングを実行する上でまず検討したい点です。
またその際には、上記で触れた通り「常に自社はリファラルプログラムがある」ということをお客様に知っておいてもらうと尚良です。
リファラルマーケティングを成功させるためのコツ③;キャンペーンは通年行う
こちらも上記2つの内容と重複しますが、紹介はいつ起こるか予想できません。
したがって、リファラルマーケティングは通年実施する必要があります。
閑散期のみ期間限定で行うなどの戦略は、避けるべきでしょう。
また業種業態にもよりますが、紹介は商品サービス購入直後が1番起こりやすいと言われています。
業界別リファラルマーケティング調査
まだまだ全ての業界は網羅できていませんが、業界別にリファラルマーケティング(お友達紹介キャンペーン)の動向をまとめた記事も執筆しています。
紹介キャンペーン自体のロジックは基本的には同じですので、気になった業界があれば是非ご一読ください。
EC業界
EC業界は日本でも海外でも1番紹介キャンペーンに力を入れている業界です。無店舗型ビジネスという背景もあり、色とりどりの「仕組み化された紹介キャンペーン」が多くみられます。まずは参考にしたい業界です。下記に日本のEC紹介と海外のEC紹介の記事を用意しました。


スポーツクラブ・エステサロン
スポーツクラブにおける紹介からの入会率は非常に高いです。店舗にもよりますが、全体の約30%が紹介からの入会ということもよくあります。したがってスポーツクラブ集客では「仕組み化された紹介キャンペーン」は必須です。下記にスポーツクラブ紹介調査の記事を作成いたしました。


人材紹介・派遣
人材紹介業界でも、お友達紹介は活発に活用されている集客方法の1つです。
以下の記事に人材派遣業界のお友達紹介概要と事例をまとめましたので、業界関係の方は是非参考にしてください。


賃貸不動産業界
賃貸不動産業界は客単価が高いので、紹介特典額が高めに設定されています。1件の単価が高い為、成約までかなり時間がかかるという背景を考慮して、紹介成立ポイントを「店舗来店時」に設定したりしている企業も見受けられます。様々な角度からのアプローチは他業界の方でも参考になるかと思います。日本のみならず、海外賃貸不動産の紹介キャンペーンも調査いたしましたので、あわせてご覧ください。


学習塾
学習塾も業界全体として、お友達紹介には力を入れています。
特に親御さんの間での紹介が発生し入塾に繋がるなどの事例も多いようです。

その他リファラルマーケティング関連記事
私がランダムに選出した8つの業界の紹介キャンペーンの傾向と特徴をまとめました。どの業界の方もまずはこちらの記事で、日本の紹介キャンペーンの概要を把握してください。


最後に
ここまで読んでの頂いた方は、リファラルマーケティング(紹介)の大まかな概要とポイントを掴んで頂けたのではないでしょうか。
各所簡単な解説に留めておりますので、詳しく知りたい部分は他の記事も参考にしてください。
海外ではかなり盛り上がっているリファラルマーケティングですが、そのノウハウは日本ではあまり知られていないのが現状です。
私は本記事を執筆するにあたり、日本の情報・実際のキャンペーンのみならず、海外の文献や実例に沢山目を通してきました。
その中で1番感じることは、成功している紹介キャンペーンは「限りなくシンプルでわかりやすい」という点です。
海外のキャンペーンの事例でも紹介していますが、成功している紹介キャンペーンとして有名な米国のHARRY’Sも、すごくシンプルかつ考え抜かれたキャンペーンを運営しています。
日本のみならず、海外の紹介キャンペーンの情報も毎週月曜日に本サイトで発信していきますので、是非これからも定期的にご確認頂ければと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。